静まり返った雪の夜、ひとつの答えが降りてくる。

見上げれば、吸い込まれそうなほどに澄んだ満月が、
凍てつく夜を青白く照らしていた。
その光はあまりに冷たく、けれどどこか慈しみを持って、
雪原にぽつんと座るボクを包み込んでいる。
生後間もなく、ボクは両親の姿を見失った。
温かな体温を求める術を失ったボクを救い、
今日まで繋いでくれたのは、この雪里に住む人々の手だった。
彼らがくれた温もりへの感謝を胸に、
ボクは今、独りこの雪の上で思考する。
自分はどこから来て、これからどう生きていくのか。
張り詰めた空気の中、
ボクの心にひとつの答えが降りてきた。
「見失った足跡を探すのはもうやめよう。
真っ白な雪は、これからどこへでも行けるという証拠なのだから。」
あなたの足元にも、まだ踏まれていない雪は残っているだろうか。
— 静かな哲学犬
この物語は、カレンダー作品としても形にしています。
静かな時間を、日常の中に。
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「どこへ行くかではなく、どこから来たか。それがこれまでの道徳であった。これからは、どこへ行くか、それがお前の新しい掟だ。」
**** フリードリヒ・ニーチェ ****


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